ジャーナリスト・伊藤詩織さんが元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害を訴えた民事訴訟。詩織さん勝訴の判決が18日
出たことを受け、19日、山口氏が外国特派員協会で会見を開いた。
会場では外国人記者から厳しい質問が続出。米メディア「デーリー・ビースト」のJ・アデルシュタイン記者は「(山口氏に)
逮捕状が出たのに執行されず、起訴もされなかったのは『上級国民』だからではないか?総理大臣の力を借りたのではないか?」と
鋭く追及した。
この裁判はレイプ行為があったかどうかが争点だったが、法廷外では山口氏と安倍首相の関係に疑いの目が向けられた。詩織さんが
告訴状を出したにもかかわらず山口氏は逮捕を免れ、検察審査会でも「不起訴相当」となった。その背景に首相官邸の指示があった
のではないかとの疑惑が報じられてきたのだ。山口氏が著書「総理」を出版するほど、安倍首相と深い関係にあったからである。
実際、判決後の海外メディアはこの点を突いている。
「山口氏は、安倍晋三首相とも近しい関係にあるとされている」(BBC放送)
「(詩織さんによると)山口氏と彼が伝記を書いた安倍晋三首相の関係ゆえに刑事告訴が退けられた」(ル・モンド)
「山口氏が安倍首相と近しかったから、特別扱いされたのではないかという疑問が出た」(アルジャジーラ)
これに対して日本のメディアは遠慮がち。山口氏と安倍首相の関係に触れた大手紙は朝日新聞と東京新聞だけ。他紙は判決内容を
報じるにとどまった。
会見に出たジャーナリストの神保哲生氏が言う。
「日本のメディアが山口氏と首相官邸の報道に及び腰なのは、本当に介入があったという裏付けが取れないからでしょう。ただ、
メディアが裏付け取材にどこまで本気だったのかという疑問は残ります。官邸関係者が介入を認めないまでも、取材をすれば関連の
新情報が出てきたかもしれない。もし官邸への忖度で取材の努力を怠ったのなら大問題。首相官邸とガチンコでぶつかれる記者が
いないということです」
山口氏は控訴の意向を示している。日本のメディアが奮起する日は来るのか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/26655...
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