朝日新聞の通販サイトで販売していたマスクを製造したのは、1917年創業の泉大津市の老舗繊維メーカー「大津毛織」。
同社によると、マスクは計4層構造。綿は医療用レベルの原料を使うなどし、150回洗濯しても使えるという。
1日1000〜1500セットを社員約15人で手作りしているという。
ぼったくりと言われ「すごく残念で悲しい」
大津毛織のマスク担当者は「布製でありながら、立体構造で長時間着けていても不快感がない」と胸を張る。
だが、首相の発言によって、ネットの一部では「ぼったくり」などと表現されて攻撃対象に。
担当者は「すごく残念で悲しい。言われっぱなしで我々にはどうしようもなく、対抗策もない。
日々マスクを作って届けるしかない」と声を落とした。
ただ、ネット上ではそうした事実を踏まえた投稿も増え始めている。妊婦向けマスクの袋に虫が混入するなど約1900枚の不良品が見つかり、「サイズが小さく、重い」などと批判される「アベノマスク」と比較し、「アベちゃんも注目、アサヒノマスク! アベノマスクより高品質らしいし」といったツイートも。
「どこがぼったくりや? プロの作ったもん、バカにすんな。仕事潰すな!」
「安倍政権が打ち出した地方創生をも否定する話」などの指摘も上がっている。
ネット上ではさらに、朝日新聞の通販サイトが首相の指摘を受けて閉鎖したとの誤った情報まで広がった。
朝日新聞社によると、受注を停止したのは、首相が東京都などに緊急事態宣言を翌日に出すと「予告」した4月6日。
通販サイトでは日付は入っていないものの「新型コロナウイルス感染拡大で政府が緊急事態宣言を出しました。
これに伴い、朝日新聞SHOPは、物流に支障が出る恐れがあることから、お客様からの受注を、期間未定で停止いたします」と記載しており、確認をしないまま情報が広がっているようだ。
首相は、17日の記者会見では「ウイルスとの闘いを乗り切るためには何よりも国民との一体感が大切だ」と述べ、収入が減った世帯への30万円給付から1人当たり一律10万円給付へと方針転換したことに関し「混乱を招き心からおわびを申し上げたい」と陳謝するなど、いつになく低姿勢で国民の協力を求めた。
しかし、その同じ会見で、自らの政策に疑問を呈した特定の新聞社を「攻撃」し、結果的に一体感とは正反対の「分断」を招いている。
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