日本の安倍政権だけが「新型コロナ危機で支持率低下」という残念さ


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001 2020/04/24(金) 20:11:06 ID:Tfhj/kBWLs
危機の時、政府の支持率は上がるというのが政治学の常識だ。実際、コロナ危機で主要国の支持率はどこも上がっている。しかし例外がある。
日本の安倍政権だけは支持率を下げているのだ。コミュニケーションストラテジストの岡本純子氏は「そんな国はほかにない。あまりに
残念だ」という??。

新型コロナウイルスによる感染拡大に全く収束の兆しが見えない。安倍晋三首相率いる政府の対策は後手に回ってばかりだ。4月14日発表の
NHK世論調査では、内閣に対する支持率は前月より4ポイント下がって39%と、ここ数年で最も低い水準となった。

支持率39%というのはそれほど低くはないように思われるかもしれないが、世界に目を向けると、異様な数字であることがわかる。次の
リストをみてほしい。

【新型コロナ感染拡大後の直近の支持率(増減)】(支持率の高い順に)
●アンゲラ・メルケル首相(ドイツ):79%(11UP)
●メッテ・フレデリクセン首相(デンマーク):79%(40UP)
●マルク・ルッテ首相(オランダ):75%(30UP)
●ジュゼッペ・コンテ首相(イタリア):71%(27UP)
●スコット・モリソン首相(オーストラリア):59%(18UP)
●文在寅(ムン・ジェイン)大統領(韓国):56%(17UP)
●ボリス・ジョンソン首相(イギリス):55%(22UP)
●エマニュエル・マクロン大統領(フランス):51%(15UP)
●ドナルド・トランプ大統領(アメリカ):49%(5UP)
●安倍晋三首相(日本):39%(4DOWN)
●ジャイール・ボルソナル大統領(ブラジル):33%(2DOWN)

これは筆者が、欧米の主要国のリーダーに対する直近の支持率をまとめたものだ。右端の数字は新型コロナウイルスの感染拡大前との変化である。
これをみると、どのリーダーも支持率を大きく上げているのがわかる。主要国で支持率が下がっているのは、わが国と、「どうせ誰かがいつかは
死ぬ」「ちょっとした風邪」と一切の対策を拒否しているブラジルのジャイール・ボルソラノ大統領だけだ。

https://president.jp/mwimgs/0/8/-/img_088d0be2d3b29...

こちらの棒グラフはニュージーランドの調査会社(4月8日発表)がまとめたものだが、政府の新型コロナ対応に対して、支持すると答えた人の
数はニュージーランドで84%と最も高かった。G7のどの国も50%以上が支持している一方で、日本ではわずか35%に過ぎない。お隣の韓国も、
3月27日に世論調査会社「韓国ギャラップ」が同国政権の支持率は55%と発表し、1年4カ月ぶりに55%を回復したとしている(翌週に
支持率56%に上昇)。

こうして見ると、支持率が高いのは、コロナ感染拡大を止めた国ばかりではないことがわかる。死者数が桁違いに多いイタリアやイギリス、
アメリカでも、リーダーへの支持率は上がっている。イギリスのボリス・ジョンソン首相は、当初、対応が大幅に遅れ、感染者を激増させて
しまった。しかし、その結果、自らも感染。退院後に医療従事者への感謝の言葉を動画で発信し、国民から共感を集めた。

(続く)

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002 2020/04/24(金) 20:13:34 ID:Tfhj/kBWLs
こうした支持率上昇の背景には「ラリー・ザ・フラッグ効果」(Rally 'round the flag effect)がある。

これは1970年に政治科学者のジョン・ミューラーが提唱した理論だ。アメリカの歴史において、深刻な危機のたびに政権の支持率が急上昇して
きたことから、「国難においては、人々が国旗の下に集結するように、リーダーへの支持が高まる」という結論を導き出した。

例えば、湾岸戦争(1991年)の時にはブッシュ大統領(父)の支持率は59%→89%に、9.11(2001年)時のブッシュ大統領(息子)の支持率は
50%→90%へと急騰した。日本でも、2011年の東日本大震災後、菅直人内閣の支持率は一時的に上昇している。

こうした現象は、(1)危機的状況において、国民は極度の不安に陥り→(2)リーダーや政権に自分たちを守ってくれる存在として役割を期待する→
(3)愛国的感情が高まる→(4)団結や連帯のシンボルとしてのリーダーの存在感が高まる、といったプロセスをたどる。

たとえばトランプ大統領は、就任以来、「移民」「民主党」「中国」「世界保健機関(WHO)」と次々に仮想敵を作り、支持を集めてきた。
「戦い」を演出する方法は、人心を弄する古典的な手法だ。古今東西の指導者たちは、人々の不安や怒り、恐怖を自分の求心力に結びつけてきた。

実は「非常時」を強調し、支持を呼びかけるレトリックは安倍首相が得意としてきた論法でもある。北朝鮮のミサイル問題や少子化などを
「国難」と呼び、野党を「国民と与党の共通の敵」と印象付けることで、自身のリーダーシップをアピールしてきた。

そして今、人類共通の敵に立ち向かうという、真の「国難」にあって、まさにその指導力が問われているが、どういうわけか急速に求心力を
失っている。

誠に残念なことである。狡猾な指導者であれば、この危機を支持率上昇の機会として存分に活用し、人心操作にも成功しているだろうが、
現政権があえてそうしないのは、ただ単に「できない」からなのだろうか。

第3次世界大戦に匹敵するともいう危機的な状況で、国民は船長不在の航海を余儀なくされている。今回の危機の難しさは、敵であるウイルスは
目に見えず、むしろ人々の恐怖や不安という感情との戦いとなっている点にある。

つまり、威嚇や脅しや経済制裁などの「力」が全く役に立たず、これまでのやり方は全く歯が立たないのだ。求められるのは、きめ細かで
スピーディーな対策、そして人々の心に寄り添うコミュニケーション力である。

ところが、安倍首相はこれらがからっきし苦手だ。心に寄り添うコミュニケーションができない。英語では空気が読めないことを
Tone deaf(音痴)、Out of touch(音信不通)と表現するが、寄り添うどころか、逆に神経を逆なでする施策や言動に、国民は
あきれ果てている。「なんでわかってくれないの」「これじゃない」。その悲鳴が連日、国中でこだましているように感じられる。

(続く)

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003 2020/04/24(金) 20:16:18 ID:Tfhj/kBWLs
日本の政治家なんてしょせん、その程度のもの。国民は、政治などに期待せずに、自らの責任を果たせ。そんな声もある。しかし、平常時なら
ともかく、この本当の「国難」に、置き去りにされる国民は哀れだ。

だから、筆者は安倍首相にこれまで下記のような点を何度もお願いしてきた。

□ 揺るぎのない強さとやさしさを持って、正面から国民に向き合ってほしい。
□ 原稿など読まずに、前を向いて、自分の言葉で話してほしい。
□ 迅速に決断をし、徹底した情報開示をしてほしい。
□ 国民の不安、恐怖、怒り、心配に自分ごとのように心の底から共感し、寄り添う姿勢を見せてほしい。
□ 間違いがあれば、素直に認めて、謝ってほしい。
□ 責任は自分にあることを明確に示してほしい。
□ 国民のために身をていして、この困難を乗り越えるべく粉骨砕身、取り組む姿を見せてほしい。
□ 具体的な展望を示し、未来に希望の灯をともしてほしい。

世界のリーダーは上記のポイントをしっかり実行している。だから、彼らの言葉に多くの人が勇気づけられ、励まされ、涙を流す。そして
「この人ならかじ取りを任せられる」と思えるのだ。だから支持率が上がる。

安倍首相やそのブレーンの中に、「メディアや国民が、こうした危機にわれわれをスケープゴートにして批判するのはおかしい」という気持ちが
少しでもあるなら、日本はもうダメだ。

国民は、こんな時だからこそ、はせ参じるべき「御旗」や、危機を解決してくれる「ヒーロー」を必死に探している。その役目を果たせるかどうか。
安倍首相は正念場を迎えている。

https://president.jp/articles/-/3468...

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