鳥越俊太郎氏 「自粛ムードに負けずこれからも出歩きます」
緊急事態宣言が解かれても、「急に出歩いていいのだろうか」「もし周りに迷惑をかけてしまったら」と不安は尽きない。そんな中、著名な “アクティブシニア”たちは、コロナ後の世界をどう過ごすのか。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(80)が語る。
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批判されるかもしれませんが、私は自粛中も、可能な限り元通りの生活を続けていました。
「不要不急の外出は控えて」と言われていましたが、3月31日に妻と2人で伊豆の下田に旅行に行きました。娘からは反対されて、嫌味も言われましたが、旅館では、温泉も部屋についている内風呂に入ったのでとくに不安は感じませんでした。
散歩にもよく行っていて、自宅から恵比寿あたりまでを30〜40分かけて歩いています。散歩なら他人との距離も取れるので、マスクはしていません。
その足で本当は映画館にも行きたいのですが、今は閉館しているから、仕方なくDVDやネット動画配信サービス「Netflix」で映画を観ています。
音楽鑑賞も、親交のあるジャズピアニストの定期的なライブが中止になっているので、家でCDを聴いているけど、映画館やコンサート会場が再開されたら、すぐに行きます。今まで通りに娯楽を楽しみたい。
私はコロナで騒ぎすぎだと思っているし、私たちのような高齢者は家でじっとしているだけだとすぐに足の筋肉が衰えてしまいます。それは健康や寿命にも影響してくる。自粛ムードに負けちゃダメですよ。
仕事面でも、3月以降、講演やテレビ・ラジオの仕事はなくなってしまいましたが、ジャーナリストとしての活動は、可能な限り続けています。
80歳の節目に「新たなチャレンジ」をしようと、今年2月から『鳥越俊太郎の今あなたに伝えたいこと』というウェブマガジンを始めて毎週、記事を配信したり、ネットで対談動画を公開したりしています。
この状況が落ち着いて、講演の仕事が入ってくるようになったら、できるだけ応えたいと思っています。人と会う仕事もどんどんやっていきながら、徐々に元の状態に近づけていきたいですね。
※週刊ポスト2020年6月5日号
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