政権与党内に衝撃が走った。“御用メディア”の世論調査でも内閣支持率が急落、不支持率が過半数を超えたからだ。
産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が5月30、31日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は前回調査から
7・7ポイント減の36・4%、不支持率はナント10・6ポイント増の52・5%に達した。不支持率は毎日新聞の調査(24日)で
64%、朝日新聞(25日)でも52%と増加傾向だが、産経の調査でも50%を超え、与党内には驚きの声が上がっている。
「産経の世論調査で、自民党の政党支持率も30%を割り込んでしまった。何があっても支持してくれる岩盤支持率が30%とみられて
いるので、固い支持層も離反し始めているということです。賭けマージャンで辞職した東京高検の黒川前検事長への甘い処分にも、
8割が『納得できない』と答えている。このまま安倍総理を支えていたら、自民党が国民から見放されそうな雰囲気です」(自民党
ベテラン議員)
そこに追い打ちをかけるのが、前法相の河井克行衆院議員、妻の案里参院議員の「Xデー」だ。公選法違反(買収)で夫妻が仮に
逮捕されれば、それがトドメ。一気に政局になりかねない。
検察側も正念場だ。黒川氏の定年延長問題から辞職に至る混乱で官邸と手打ちしたと見られたら、それこそ信頼も権威も地に落ちて
二度と這い上がれない。河井夫妻の容疑は起訴せざるを得ないだろう。その「Xデー」は迫っている。
答弁に立ちたくない安倍首相は6月17日の会期末でサッサと国会を閉じる意向だ。その場合、閉会を待っての逮捕になるのか。
勾留延長の期限も考慮すれば、閉会を待たず来週にも逮捕許諾請求を出す可能性もある。7月中に勇退するとみられる稲田検事総長への
“はなむけ”として、在任期間中の起訴に持ち込むには時間が足りなくなる恐れもあるからだ。
会期中に現職議員、それも前法相で安倍側近の夫と妻が逮捕されれば、任命責任が問われる。野党から不信任決議案が出されるのは確実だ。
それを数の力で否決したところで自民党はジリ貧。党内で安倍降ろしが激化するだろう。安倍首相が活路を見いだすには、解散総選挙で
勝負に打って出るしかない。
だが、自民党の二階幹事長は1日の会見で「特に今、早期解散の必要性を感じているわけではない。今は新型コロナウイルス問題の解決に
懸命の努力をするべきだ」と否定的な見解を示した。
「事実上、首相の解散権を封じ、引導を渡したに等しい。秋の党役員人事で、安倍首相は二階幹事長を交代させる意向だと言われていました。
それを二階氏が黙って受け入れるとも思えない。首相と溝が深まっているという菅官房長官、あるいは石破元幹事長と連携して、安倍降ろしに
動くのではないか。解散権を封じられた安倍首相に残された道は退陣しかありません」(政治評論家・本澤二郎氏)
「安倍NO」の世論に押され、二階幹事長が安倍の首に鈴をつけるのか。終盤国会は俄然、緊迫してきた。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/27399...
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