航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」6機が29日、新型コロナウイルス対応に当たる医療従事者への感謝と敬意を
示そうと、東京都心上空に白いスモークでラインを描いた。好意的な受け止めが広がる一方、防衛省は誰の発案で、いつ決まったのか
明らかにしていない。約20分にわたった異例の“航空ショー”について、省内からも説明を求める声が上がっている。
「プロセスはどうでもいいだろうと思う」
フライトを直前に控えた当日の記者会見。河野太郎防衛相は概要や趣旨を説明する傍ら、誰が発案したのか問われると、こうはぐらかした。
丸茂吉成航空幕僚長も飛行後の記者会見で「飛行することが重要で、プロセスは控えたい」と述べた。
記者会見では歯切れの悪かった河野氏だが、ツイッターでは一転、飛行経路の地図を示し「入間基地を離陸しました」「二周目、開始」
などと逐一投稿した。終了時には「ブルーインパルス、帰投します。ありがとうございます!」と結んだ。
こうした姿勢に、省内では「はしゃぎすぎだ。自分の宣伝に利用したと言われても仕方がない」との指摘も。自衛隊幹部は
「ブルーインパルスの飛行が、どうして医療従事者への感謝になるのか」と冷ややかに語った。
東京上空は航路が過密状態でブルーインパルスが飛行する余裕はなく、1964年の東京五輪開会式など限られた機会にしか実現していない。
29日の飛行は、埼玉県の空自入間基地を出発し、千葉、神奈川との境界まで含む経路を2周する異例のものだった。
新型コロナの影響で羽田空港の発着便が減少しているとはいえ、政府関係者は「相当な調整が必要だったはずだが、一気に決まった」と
打ち明ける。防衛省幹部は「公表直前まで知らされなかった」とこぼした。
別の防衛省幹部は「政治利用ではないかとの批判を警戒しているのだろうが、誰がどう決めたのか説明しないと臆測が広がりかねない」と
話した。
https://www.nikkansports.com/general/news/202005300000402.h...
返信する