また日本の評価が下がってしまった。予想通り、麻生副総理の「民度発言」を海外メディアが伝えている。
麻生副総理は4日、参院財務委員会で、日本の新型コロナ対策の成果について非科学的な持論を大展開。日本の死亡率が少ない理由を
尋ねる電話が海外からあったと明かしたうえで、「そういう人たちの質問には、『お宅とうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』と
言ってやると、みんな絶句して黙る」と自慢してみせた。
死亡率が高い欧米を「民度が低い」とバカにしたのも同然だから、さすがに海外メディアが報道している。
米紙ワシントン・ポストは、「日本の大臣の民度発言が炎上」とタイトルをつけ、麻生副総理の過去の「ヒトラー発言」も紹介。
ブルームバーグも、「日本の大臣が“民度の高さがウイルス克服に役立った”と発言」のタイトルで伝え、「しかし、台湾や韓国など
死亡率が低いアジアのなかでは、日本は突出していない」と、日本の新型コロナ対策が成功したわけではない、と論評している。
海外では、死亡者数が少ない日本の対策を評価する声もあったが、「民度」を口にしたために、世界中に日本の実態を報じられた形だ。
実際、慶大の菅谷憲夫客員教授によると、アジアのなかでは、日本の致死率はかなり高率だという。5月16日現在、人口10万人
当たりの死亡者は0・56と、フィリピンの0・77についで2番目に多い。台湾は0・03、タイは0・08、韓国0・51、
中国0・32、インド0・20、バングラデシュも0・21だ。「麻生理論」だと、日本の「民度」は、こうした国より低いということになる。
ちなみに、アメリカは26・61、イギリスは50・46となっている。
日本の死亡者数が欧米に比べて少ないのは「民度」ではなく、アジア特有の要因が原因となっている可能性がある。欧米で流行している
ウイルスは、アジアよりも強毒だとの指摘もある。
なのに、エビデンスも示さず「日本は民度が高いから」と、他国をおとしめたと取られかねない発言を国会でしているのだから、この男は、
本当に懲りない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「日本の死亡者が少ない理由について、国民皆保険やBCGをあげる声がありますが、それは“民度”ではなく“制度”の問題です。さらに、
ハグをしないから、家の中では靴を脱ぐから、マスクが定着しているから、という意見もありますが、これらも“民度”ではなく“生活様式”の
違いです。なのに、麻生さんは民度を持ち出している。まさにナチスの発想ですよ。民度発言は、ここ数年、流行している“日本はスゴイ”
現象の延長です。自信を失った裏返しで、なんでも“日本はスゴイ”と思いたがってしまう」
世界中があきれているのではないか。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/27422...
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