今春の統一地方選では、維新が躍進したのとは対照的に大敗。道府県議選、政令市議選で前回獲得した議席の2割、一般市議選でも1割を失う惨状だった。
大敗の背景には、古参党員を除名したため、党内に動揺が広がったことがある。
元党京都府委員会常任委員の鈴木元氏(78)は党歴60年の大ベテランで、党勢拡大の大功労者である。だが、今年1月に出版した『志位和夫委員長への手紙』(かもがわ出版)の中で、志位和夫委員長を批判。すると、「わが党の綱領路線に対する全面的な攻撃」「派閥・分派行為」などとして、今年3月に除名されてしまったのである。
鈴木氏の除名は党員たちを失望させ、党の機関紙「赤旗」は、3月だけで日刊紙と日曜版を合わせて計約1万部も減らしている。
毛沢東と同じやり方
そんな鈴木氏が志位委員長批判に踏み切ったのは、「もうあかん」という危機感からだった。
「共産党は、実に40年以上の長期にわたって党の勢力減退が続いています。党員数は50万人(1990年)から27万人(2020年)と半分近くになりました。1980年に355万部あった赤旗の部数は3分の1以下の90万部にまで低迷。さらに決定的なのは、一昨年の総選挙で衆議院は12議席を10議席に、昨年の参議院選挙は改選6議席を4議席にまで減らした。かつて49人(2000年)いた国会議員数は、今や、21人です」
鈴木氏の著書のなかで、とりわけ党から問題視されたのは次のくだりだったという。
〈決定的な誤りは、宮本(顕治)氏によって不破哲三氏と貴方・志位和夫氏の幹部会委員長・書記局長の後継指名が行われた事です。(略)このやり方は毛沢東が林彪や華国鋒を後任に指名したのと同じやり方ではないですか。およそ近代政党とは言い難い『個人独裁』的党運営です〉
共産党は「党内の民主的選挙で幹部を選んでいる」と強調しているが、鈴木氏は「あれは選挙と呼べる代物ではない」と斬って捨てる。
「私が『個人独裁的運営』と呼ぶのは、志位体制の『続投ありき』の案が、『満場一致で決まる』という形式を繰り返しているからです。
中国共産党よりもひどい
この仕組みは、日本共産党が「覇権主義」として批判している中国共産党以下だと鈴木氏は指摘する。
「お隣の中国共産党で習近平総書記が就任した2012年の党大会の記録によれば、定員205人の中央委員を選ぶのに、224人の名簿が提示されています。つまり、定員より多い名簿が事前に示されているのです。2300人の代議員が無記名秘密投票を行い、そこで19人が落選している。日本共産党のような、予定調和ではありません。この点で、日本共産党は中国共産党以下なのです」
https://news.livedoor.com/article/detail/24199831...
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