誰がシールを配り、貼ったのかは詳細不明だが、街中の電柱などに勝手にシールを貼って法的に問題ないのだろうか。また、原状回復の“お手伝い”をしようと第三者が勝手に貼られたシールを剥がしても大丈夫なのだろうか。刑事事件に詳しい澤井康生弁護士に聞いた。
──街中の電柱や看板などに勝手にシールを貼るのは問題ないのでしょうか。
他人の私有財産である看板等にシールを貼った場合は、器物損壊罪(刑法261条、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)に該当する可能性があります。
シールをたくさん貼ることにより店名を見えなくするなどして看板としての効用を喪失させた場合には器物損壊罪が成立します。
また、器物損壊とはならないような場合でも、「みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した」といえる場合には軽犯罪法違反(1条33号、拘留または科料)が成立する可能性もあります。
──もし道路標識などにシールが貼られていた場合はどうでしょうか。
都道府県公安委員会が設置した道路標識にたくさんのシールを貼って標識を見えなくしてしまった場合は、道路交通法違反が成立する可能性もあります。
同法115条は、「公安委員会が設置した道路標識、信号機や道路標示を損壊して道路における交通の危険を生じさせた場合、5年以下の懲役または20万円以下の罰金に処する」と規定しています。
──勝手に貼られたシールを剥がしたらマズいのでしょうか。
私有財産である看板などに勝手に貼られたシールをはがすのは器物損壊罪や軽犯罪法違反によって受けた被害を回復する措置といえます。
この点、勝手に貼られたシールは同違反の立派な証拠ですから、理論上は証拠隠滅罪(刑法104条)に該当する可能性があります。
しかしながら、被害者が被害を回復するために取った措置が証拠隠滅罪で立件されるなど聞いたことがないので、事実上は問題ないと思います。一応、念のため写真や動画などで証拠を残しておいた方がよいでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a35864004bc8ea2f7f135...
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