最初の失敗は5月27日に出馬表明をしたにもかかわらず、具体的な政策を語らずに時間が経過してしまったことだ。「相手に良いところをパクられる」というのがその理由だったが、よく考えればこれは意味不明だ。
「自民党がベッタリとついている小池知事ではできない。だから私がやる」として「反自民・非小池都政」をテーマにしていたのだから、先に政策をどんどん発表して話題を作り、政策論争の主導権を握るべきだった。
ところが、立憲の都議会議員団が中心になって作ったという政策には「小池知事ではできないこと」が明確になっていなかった。
そもそも、蓮舫選対に「どうやったら小池知事に勝てるか」という戦略があったとは到底思えなかった。蓮舫氏は「無所属のオール東京で」と語っていたが、実態は立憲民主党の議員や秘書が何十人も手伝っていた。そうしたリソースを使う一方で、戦略性のなさが目についた。
都連所属のある国会議員は、自分ですらもどういう体制で選挙が行われているのか分からなかったと語る。
戦略性のなさは街頭演説の内容にも表れていた。蓮舫氏の街頭演説は1日1~2回、1時間近くの時間をかけて数人の応援弁士がやってくるというスタンスだった。大規模な駅前での開催だったため、大勢の人が詰めかけた。
筆者の主観であるが、蓮舫氏の演説はキンキンがなり立てるので、好きな人はいいかもしれないが、そうではない人は聞いていられない。しかも内容がどんどん小池知事の批判ばかりになっていて、共感を呼ぶ演説とは思えなかった。
つまり、これまでの蓮舫氏のキャラではまず勝てないという状況から始まったにもかかわらず、従来の姿勢を貫き通したのだ。その結果、よりコアなファンの期待を上げるだけで無党派層の取り込みはできなかったということであろう。
また、終盤戦では蓮舫陣営とその支持者によるなりふり構わぬ品のない言動が目に余った。
7月6日の最終日、新宿駅前での最後の演説。応援弁士を務めた野田佳彦元首相はこう発言した。
「(自民党の)脱税のチームに応援される人も私は同じ穴のタヌキだと思います。同じ穴のタヌキは駆逐しようじゃありませんか」
仮にも国のトップだった人物とは思えない品のなさである。また、杉尾秀哉議員は演説で「もう緑のたぬきには任せられない! 8年もやれば十分だ」と語った。
そして、何より蓮舫氏自身の振る舞いについても批判の声が出ている。それは蓮舫氏が泉健太代表を「排除」したことにある。
こうした振る舞いに、泉代表に近い議員の一人は呆れた様子でこう語る。
「人として終わってるよ。そういう、人への配慮とかこれまで全くやってこなかったんだろうね。まあ、(人として終わっている以前に)始まってないよね。そういう人間性が滲み出ているから支持も広がらないんだと思う」
https://news.yahoo.co.jp/articles/622003866435192f6f755...
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