米国・ハリウッドでのセクハラ告発から始まった#MeToo運動。その波は海を渡り日本にもやってきましたが、日本では女性たちが
被害の声を上げるたびに「ハニートラップ」「枕営業の失敗」などと、被害者の側の粗探しをする声が目につきます。
驚くべきは、一部の女性たちが同性である女性被害者に寄り添わず、積極的にその動きに加担しているということ。筆者が特に
目に余ると感じた3人のトンデモぶりを振り返ってみたいと思います。
まずは、自民党が誇るネ卜ウヨ議員の一人・杉田水脈議員。2015年に当時TBSワシントン局長だった山口敬之さんからレイプされた
として告発したジャーナリストの伊藤詩織さんの事件をフィーチャーした、英・BBCによるドキュメンタリー番組「Japan’s Secret
Shame(日本の秘められた恥)」(6月28日放送)の中、インタビューされた杉田議員は耳を疑うような言葉を放っています。
「(伊藤さんには)女として落ち度がある。男性の前でそれだけ(お酒を)飲んで、記憶をなくして」
「社会に出てきて女性として働いているのであれば、嫌な人からも声をかけられるし、それをきっちり断るのもスキルのうち」
「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」
「(伊藤さんが)嘘の主張をしたがために、山口氏とその家族に誹謗中傷や脅迫のメールや電話が殺到した」
「こういうのは男性のほうがひどい被害をこうむっているのではないかと思う」
たしかに本件は刑事事件としては不起訴処分が下っています(現在、民事裁判で争われている)。ですが、「酔っている女性はレイプ
されても仕方がない」と言っているともとれる発言が一政治家、それも女性によってなされたことに対して、twitterでは、「同性への
言葉とは思えない」「これはセカンドレイプ発言だ」「なぜ日本のメディアは沈黙しているのか」と驚きと怒りのコメントが溢れ、
問題のドキュメンタリーの動画サイトも広く拡散されました。
杉田議員は放送の2日後に自身のブログに次のように投稿。
「薬を飲まされて無理やり連れ込まれて強姦されたのであれば、私は『女として落ち度があった』とは全く思わないし、そんな犯罪者は
本当に許せないと思います」(ブログより抜粋)
伊藤さんは事件があった夜、山口さんと会食した飲食店から襲われた現場であるホテルまで移動した記憶がないことから、何らかの
薬物を盛られたことを疑っていますが、山口さんはそれを否定しています。しかし、仮に薬が盛られていなかったとしても、同意を得ずに
事に及んでいる時点で強姦なのです。
そんな杉田議員について、文筆家の古谷経衡さんは自著『女政治家の通信簿』の中で次のように斬っています。
「男性寡占社会の中に紅一点の女性が入り込み、彼らの自尊心をくすぐる事で歓心を買う『オタサーの姫』と相似形である」
(続く)
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