先週17日、内閣府は2011〜17年分の招待者名簿を行政文書ファイル管理簿や廃棄簿に記載していなかった公文書管理法違反の問題で、当時、
内閣府大臣官房人事課長だった5人を「厳重注意処分」にすると発表。同時に、国会に提出された政治推薦分を除く各省庁からの推薦者名簿の
一部を「白塗り」にして改ざんした問題についても、「極めて不適切」という理由で現在の吉岡秀弥・人事課長を「厳重注意処分」とした。
これら6人は今夏の賞与が減額されるという。
管理簿や廃棄簿に記載なしという違法行為はもちろん、国会提出の公文書を改ざんするという問題は、役人を「厳重注意」して終わるような
話ではない。そもそも、民主党政権時の2011年と12年は東日本大震災や北朝鮮のミサイル発射予告を理由に「桜を見る会」を開催しておらず、
一方、民主党政権時で唯一開催された2010年は管理簿にも廃棄簿にも記載されていた。ようするに、「桜を見る会」が開催されながら違法な
招待者名簿の管理をおこなったのは安倍政権時からなのだが、それを隠して民主党政権からの問題だと主張するために、2011年からの人事課長
5人に処分を下したのだ。
まったく姑息と言うほかないが、しかも、これが安倍官邸による作戦であることが、きょうはっきりとした。というのも、「安倍首相の代弁者」
たる田崎史郎氏が本日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に出演、さっそく「民主党政権ガー」とはじめたからだ。
田崎氏といえば、詳しくは後述するが「桜を見る会」問題でのワイドショー出演を昨年12月から見合わせていたのだが、ここにきて復活。そして
それはあまりに見苦しいものだった。
まず、番組では、歴代の人事課長5人が厳重注意処分を受けたことを司会の羽鳥が紹介すると、「かわいそうですね」と感想を漏らした。誰もが
官僚が勝手に違法行為をおこなったのではなく、もっと上からの指示があったからに違いないと考えているからこそ、羽鳥はこんな感想をつぶやいた
わけだが、これに田崎氏がすばやく反応し、こう反論した。
「いや、そりゃしようがないですよ。かわいそうじゃないですよ、これは。厳正な処分で」
「これね、人事課レベル、人事課長レベルでやってたんですよ。これは2011年からはじまっているんですね」
「公文書管理法に違反することですから、これ、当然やっていなきゃいけないんです。で、2011年からなんですよ。つまり、民主党政権から
(記載がなかった)」
さっそく飛び出した「民主党政権から」という文言に、羽鳥は「出た。『民主党もやってたじゃないか』という」とツッコんだのだが、対する
田崎氏はまったく意に介さず「うん。これね、あのー、管理簿には記載しなかったこと、そのものが問題なんです」とつづけたのだった。
(続く)
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