感染症対策に詳しい神戸大医学部の岩田健太郎教授が18日、政府の許可を得て、横浜港で検疫中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に
乗船した経験として、船内の2次感染リスクの管理が不十分だったと指摘する動画を公開した。菅義偉官房長官は19日の記者会見で「感染拡大防止に
徹底して取り組んできている」と反論したが、政府高官は「いろいろな指摘には謙虚に耳を傾けたい」と述べた。
岩田氏の説明によると、厚生労働省の協力を得て、災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として18日に乗船した。18日夕方に下船後、動画投稿サイトで
「ウイルスが全くない安全なグリーンゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないレッドゾーンが、ぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、
どこが危なくないのか全く区別がつかない」「熱のある方が自分の部屋から出て、歩いて医務室に行っている」「感染症のプロだったら、あんな環境に
行ったら、ものすごく怖くてしょうがない」などと訴えた。
菅氏は19日の会見で、「レッドゾーンとグリーンゾーンがぐちゃぐちゃ」との指摘に対して、「イエスかノーで答えることはできない」と回答。
また感染対策の例として「乗員はマスクの着用、手洗い、アルコール消毒などの感染防御策を徹底するとともに、乗員の感染が確認された場合には
同室の乗員も自室待機にするなど感染拡大防止を徹底している」と述べた。
しかし、岩田氏の指摘は、こうした「感染確認後の対応」ではなく、それ以前の「検疫の初期段階にとるべき対応」に関するものだ。菅氏自身、
18日の会見でクルーズ船への対応について「良かった点も、悪かった点もある」と認めている。クルーズ船は19日から下船が始まったが、政府は今後、
一連の対応について検証する方針を示しており、岩田氏の指摘についても議論になるとみられる。
https://mainichi.jp/articles/20200219/k00/00m/010/...
返信する