毎日、新型コロナウイルス感染が数十人規模で発覚するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。17日は新たに検査で99人の陽性が
確認された。これで船内の感染者数は454人。凄まじい感染力だ。
しかも、99人のうち無症状者が70人もいたから驚く。日本各地で感染者が見つかっている以上、すでに市中感染が広まっていて、
無症状のウイルス保持者も相当数に上ると考えた方がいい。その証拠に、検査要件を緩和した途端、次々と新たな感染者が見つかっている。
国立感染症研究所が2008年に作った感染拡大シミュレーションによれば、首都圏の鉄道に新型インフルエンザを発症した人が1人乗った
場合、まったく対策を取らなければ、感染者数は10日間で12万人に拡大する可能性があるという。実際に国内の新型コロナ感染者が鉄道を
利用していたことも分かっている。人口密集の都市部を中心に、感染者数が爆発的に増えるのは時間の問題だ。
WHO(世界保健機関)のコンサルタントとして、フィリピンでSARS封じ込めチームを指揮した経験のある医師の高橋央氏も16日、
日本テレビの番組でこう言っていた。
「SARSの経験から、すでに国内に数千人の感染者がいると思われる」
「SARSにない(無症状でも感染力を持つ)特徴を考えると、終息までに1〜2年はかかる」
「平和の祭典であるオリンピックが感染の大舞台になるリスクがある」
これだけ深刻な事態になっても、政府が発表した対策は「人混みを避け、不要不急の集まりを自粛」「37・5度以上の発熱が4日以上
続いたら専用窓口に相談する」だから話にならない。個人にリスクを押し付けているだけではないか。こうも政府が無能無策では、やはり
自分の身は自分で守るしかない。
厚労省は17日、「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で事務業務に当たった50代の同省男性職員1人が新型コロナウイルスに感染したと
発表した。
感染した職員は11日から連絡調整などを担当。14日夜に発熱、16日夜に感染が確認された。乗客乗員との濃厚接触はなく、マスクの
装着など感染防止策は取っていたという。同船では男性検疫官1人の感染も確認されている。短時間、船内で活動しただけで感染が相次ぐ
状況は衝撃だ。
(続く)
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