2日午前9時から参院予算委員会で、安倍晋三首相らが出席して新年度予算案の基本的質疑が開かれました。新型コロナウイルスの
感染拡大を受け、首相が小中高校などに休校要請をしたことなどをめぐり、論戦がかわされました。野党の質問に対する首相の説明は——。
タイムラインで詳報します。
[09:10]
安倍晋三首相は参院予算委員会で、全国の小中高校などへの休校要請の政府内での決定過程について、「直接、専門家の意見を伺った
ものではない。判断に時間をかけるいとまがない中において、私の責任において判断させていただいた」と述べた。立憲民主党の
福山哲郎幹事長への答弁。
首相は「国内の感染拡大の状況において、専門家の知見によれば、これから1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際と
なるとの見解がすでに示されている」と説明。「大人のみならず、子どもたちへの感染事例も各地で発生している」と強調した。
寸評=今野忍記者
安倍晋三首相が突然要請した小中高校などの全国一斉の休校問題。週が明けて休校期間が始まった2日、国会審議に首相が登場し、
野党と対峙(たいじ)しました。
首相は「専門家の知見によれば、これから1〜2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となるとの見解がすでに示されている。
学校での子どもたちへの集団感染を防がなければならない」と紙を読みながら答弁する一方で、「この臨時休業の要請については直接専門家の
意見を伺ったものではありません」と明らかにしました。
卒業式が中止になったり、共働きやひとり親世帯が途方に暮れたりするような決断を「専門家に聞かずに決断した」という答弁に、
議場にどよめきが起きました。
首相が休校要請を表明したのは先週木曜日(2月27日)の午後6時過ぎでした。首相と一部の側近たちで決めたため、自民党幹部たちも
「寝耳に水」でした。同党幹部の一人は、学校給食に牛乳を卸している地元の酪農家から突き上げられたと言います。官邸の迷走と
受け止めた別の幹部は「政権末期だ」と周囲に漏らしました。
国民が知りたいのは、どうして首相が急転直下、一斉休校を決断したのかという点に尽きると思います。なぜ全国一斉だったのか。
なぜ子どもたちが密集する学童保育はいいのか。春休みが終われば本当に再開するのか。
(続く)
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