法務省が存在を否定したこの「見解」、いったいどこの誰がまとめたものだったのでしょうか?
問題になっているのはまとめサイト産経新聞が5月13日にネットに掲載し、14日朝刊にも掲載された記事「『三権分立に反しない』法務省、
ネット批判に反論 検察官定年延長」とする記事。
これは先週末から全国的に批判の声が広がっている検察庁法改正案に対して法務省がまとめた見解を報じたとするもの。記事冒頭では
法務省は13日、検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案をめぐり、ツイッター上などで広がっている批判に対する見解をまとめた。
(「三権分立に反しない」 法務省、ネット批判に反論 検察官定年延長 - 産経ニュースより引用)
として、法務省が主体となって見解をまとめたと明言しています。記事内では
「一般の国家公務員の定年引き上げに関する法改正に合わせて改正するものであり、黒川氏の勤務延長とは関係がない」「検察権行使に
圧力を加えるものではなく、三権分立に反しない」「内閣等が自由に検察官を罷免したり、身分上の不利益処分を行うものではなく、
身分保障を害することはない」
(「三権分立に反しない」 法務省、ネット批判に反論 検察官定年延長 - 産経ニュースより抜粋、引用)
などとした見解が引用の形で報じられていました。
ですが、これに対して共産党の山添拓議員が見解の全文を読みたいと法務省に確認を取ったところ、15日朝に「法務省の見解をまとめた
ものはない」と電話で回答が寄せられたことをツイートしています。
つまり、法務省が国会議員に対して正式に存在を否定した「見解」を、なぜか産経新聞だけが入手して報じていたことになります。いったい
どこから出てきた誰の「見解」なのか大きな疑問符がつきます。
産経新聞がこれまでも数えきれないほどのデマを垂れ流してきた、まとめサイトレベルの報道機関であることはBUZZAP!でも繰り返し
報じてきたとおり。
例を挙げると、「沖縄米兵の日本人救出報道」デマやダウンロード違法化問題での「安倍首相の『鶴の一声』」デマ、森友学園問題に絡む
辻本議員へのデマ、都知事選での街頭インタビューでのデマ、SEALDsへのデマでのネガキャンなど、野党や野党支持者を叩く内容が多数。
加えて、「Galaxyは日本製スマホより品質は劣るが安い」とするモバイル絡みの韓国叩きや慰安婦問題、徴用工裁判、南京大虐殺などを巡る
「歴史戦」など、その内容の幅広さと情報の信頼性の低さは他のジャーナリズムの追随を許さないレベルです。
そして今回は法務省という虎の威を借りたつもりが、当事者から見事にハシゴを外された形となっています。報道機関である以上、批判への
反論があるならば堂々と社説で主張すればよかったはずですが…。
https://buzzap.jp/news/20200515-kensatsucho-kuro...
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