立憲民主党の枝野幸男代表の辞意表明を受けて実施される次期代表選に向けた動きが5日、活発化した。枝野体制の低迷は主要な顔ぶれが旧民主党政権と変わらないことが一因で、世代交代と民主党色の刷新を求める声が強い。すでに小川淳也衆院議員(50)らが「ポスト枝野」に名乗りを上げているほか、泉健太政調会長(47)らも出馬を検討している。
党内最大勢力の旧社会党系グループは5日、国会内で会合を開き、約20人が出席。独自候補擁立も含めてグループがまとまって代表選に対応する方針を確認した。近藤昭一衆院議員が新会長に就き、枝野氏が顧問として入会した。菅直人元首相が率いるグループも代表選対応を協議した。菅氏は会合で「フレッシュな皆さんにどんどん活躍してもらいたい」と述べた。
立民は枝野代表、福山哲郎幹事長、蓮舫代表代行ら旧民主政権でも中枢にいた面々が表看板になって衆院選に臨み、敗北した。
刷新感を打ち出す上で本命視されるのが泉氏だ。昨年9月の新立民の初代代表選では、旧希望の党・旧国民民主党出身者に担がれて立候補し、枝野氏に敗れた。党内融和のために政調会長に起用されたが「常務執行役員」との評もある。
党の存亡に関わる重要局面で意思決定に参加する「取締役」ではないという意味で、党勢回復に向け求心力を保てるかは未知数だ。枝野氏が進めた共産党との共闘については「衆院選結果を踏まえ、再検討するのは当然」とする。
保守系の中には泉氏のほか、旧民主政権で外相を務めた玄葉光一郎副代表(57)を推す声もある。
一方、真っ先に意欲を表明したのが小川氏だ。4日、国会内で記者団に、枝野氏への敬意と謝意を示した上で「次世代として何ができるか熟慮していきたい」と強調し、5日にも「腹は固まっている」と述べた。
大串博志衆院議員(56)も「仲間と相談しながら検討する」と意欲を示す。旧希望の党出身ではあるが、枝野氏に信頼されて新立民で役員室長に就任。国会演説や公約などの作成にも深く関わり「筆頭秘書官」のような役割だった。
馬淵澄夫元国土交通相(61)も立候補に意欲を見せている。
リベラル系の中で待望論があるのが元厚生労働相、長妻昭副代表(61)。4年前に枝野氏とともに旧立民を結党した最古参メンバーで、枝野氏に近い。(田中一世)
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