このニュース、5月7日夕刊では朝日新聞も同様に「複数の政府関係者が明らかにした」と書き、毎日も産経も後追いした。つまり各紙が取材した
結果だった。
公表されていないだけで、これから明らかになるであろう事実なのである。
それを「フェイクニュース」とツイッターで断言する河野太郎氏。自身のフォロワーにマスコミはいかにウソを書くかとツイートしていた。
トランプの真似なのだろうか。憧れているのだろうかトランプに?
イージス・アショアの話に戻ると、当初、候補地とされていた秋田県の「新屋」は、他の配備候補の地域と決定的に違う点があった。それは周辺に
学校や福祉施設がある。住宅地に近接しているのです。暮らしている人々からすれば一気に不安だ。
なんでそんな地域が候補地に選ばれたのか? この3年間ずっと問われ続けてきたことだった。
では、原点に戻ろう。2017年に「候補地」の第一報を伝えたのはどの新聞だったか?
読売新聞なのです。
「陸上イージス 秋田、山口に 政府調整 陸自主体で運用」(2017年11月11日)
防衛省がイージス・アショアの配備候補地として「秋田」「山口」の名前を正式に出したのは、このスクープの半年後だった。政権情報に強い
読売が半年前に書いた記事が正解だったのである。
そのへんの顛末は、秋田魁新報取材班による『 イージス・アショアを追う 』が詳しい。防衛情報に詳しくない地元紙がしかし読者に伝えなければ
いけないという責務から、国会での論戦をすべてチェックして報道した経緯をまとめた本である。地元紙の役割と責任を感じることができる本である。
あれから3年間、「なぜ住宅地に近い新屋なんだ?」と揉めに揉めた。
そして先月、また一つのスクープが出た。それが河野氏が噛みついた、
「イージス 秋田候補地断念 新屋 県内軸、再選定へ」(読売新聞5月6日)
先ほどの一面記事だったのだ。
皮肉にも配備の候補地を報じたのも、それが断念されると報じたのも読売のスクープだったわけだ。
しかし河野氏はこれをフェイクニュースとツイートした。
巧妙だと思う。そりゃ、まだ水面下で動いてる時点だろうし、何より公式には発表してないから。
なので将来もしイージス・アショア断念を正式に発表する際も「あの時点ではそんな事実はなかった。フェイクニュースだった」と言うのでは
ないか? と、私は失礼ながら考えていた。
そしてきのう、河野太郎防衛相は「イージス・アショア」の配備計画を停止すると表明した。読売の報道はやはりフェイクニュースではなかった
のである。
河野氏としてはバンバン書きやがってとイライラしたのかもしれない。防衛上の大事な話だとはわかるが大臣が簡単にフェイクと言ってしまう
言葉づかい。怖いのは、マスコミに対して「勝手に書くとこうなるぞ」という意味も含んでしまっていることだろう。そして何より、俺の言うことが
正しいという植え付け。
(続く)
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