本サイトは2017年12月、この安倍首相の横田夫妻に対する冷淡な対応を記事にしている。これを読めば、長年「拉致問題の解決」を連呼してきた 
 安倍首相の目的が実際は自分の人気取りと極右政策の実現にすぎず、拉致問題の解決や被害者家族の思いなんてまったく本気で考えていなかった 
 ことがよくわかるはずだ。   
  北朝鮮の脅威論がますます叫ばれる一方、なんの進展もなく膠着するばかりなのが拉致問題だ。安倍首相はこれまでも、ことあるごとに 
 「拉致問題は最優先事項」と声高に唱えてきが、本サイトで何度も指摘してきたように、それらは政治利用とパフォーマンスでしかない。   
  そんななか、驚きの事実が発覚した。拉致被害者・横田めぐみさんの母で、拉致被害者救出運動のシンボル的存在でもあった横田早紀江さんの 
 ことを、安倍首相が2年にわたって無視し続けているというのだ。   
  この事実を明かしたのは有田芳生参議院議員。12月2日のツイッターにこんな投稿が掲載された。   
 〈横田早紀江「政府は一生懸命、知恵を練って下さっていると思いましたが、40年たっても何も分からない状況に、一体何だろうか、信じてよかった 
 のかとの思いが家族にはあります」(めぐみさんが拉致された11月15日の記者会見)。早紀江さんが思いを綴った手紙を安倍首相に書いても 
 梨のつぶてです。〉   
  たしかに、かつては対北朝鮮強硬路線で安倍首相や救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)と完全に同一歩調をとって 
 いたようにみえた横田早紀江さんだが、最近はその姿勢に変化が見られていた。めぐみさんが拉致された日から40年にあたる11月15日の会見では、 
 有田氏のツイッターにあるように、「信じてよかったのか」と、後悔の念をただよわせていた。    
  しかし、その早紀江さんが安倍首相に手紙を送ったのに、「梨のつぶて」とは一体どういうことか。そもそも早紀江さんと安倍首相は最近も、 
 直接何度も会っている。たとえば今年だけでも2月22日に首相官邸で早紀江さんを含む拉致被害者家族と面会、また解散総選挙直前の9月17日には 
 「国民大集会」に出席し、“拉致解決が最優先課題”だといつものように強調したが、その前に被害者家族と面会をしていた。さらに、9月28日の 
 解散当日にも被害者家族を官邸に呼びつけ、トランプ大統領と被害者家族の面会の約束を取り付けたことを手柄のように披露し、露骨な総選挙向け 
 アピールをした。そして11月6日には来日中のトランプ大統領と被害者家族が面会したが、その席には安倍首相が早紀江さんら家族とともに同席 
 している。   
  だが、表面的にはいまも緊密な交流があると思われていた安倍首相と早紀江さんだが、実際はまったく違ったということらしい。   
  ツイッターについて有田氏本人に聞くと、こんな答えが帰ってきた。   
 (続く)
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