一方、千葉県に住む52歳の会社員、山岸学さん(仮名)はスキマバイトアプリを
使って、会社が休みの時に副業に乗り出している。妻はパート勤めをしているが、
都内の私立大学で理工学部に通う一人息子にお金がかかるという。
「きっかけはやっぱり物価高騰です。初任給を上げるニュースはたくさん見ます
が、我々の給料は上がりませんし。私の場合はいろんなスキマバイト先に行く
わけではなく、基本的にホテル清掃かファミレスの皿洗いに絞ってます。
肉体的には辛いですけど、その場限りで黙々とやればいいので。1日3~4時間が
多く、1回4000~7000円ぐらいになるので助かります。体は辛いけど、物価高の
苦境は働くことでしか解決しないでしょ」(山岸さん)
加えて山岸さんは最近、治験モニターの副業バイトも始めた。
「採血と問診だけで1回1万円という抜群のコスパです。ただ場所が限られていて、
やっぱり都心部の病院が中心なので交通費がかかる場合があります。それと、
長期にわたる治験モニターは他の治験が受けられないので、1年で7万円ぐらいに
しかなりません。コスパを考えて一回きりの治験を狙ってます」(山岸さん)
総務省の「就業構造基本調査」(2022年)によれば、「副業がある者」は2012年
約214万人だったが、2022年は約305万人と10年で100万人近くも増加している。
氷河期世代の会社員がこれからのインフレ時代を生き抜くためには、副業を
こなせるだけの度胸と胆力、体力が必要なのかもしれない。
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