今回の選挙では物価高対策が最大の争点になっている。各党も 
 “物価を下げる”とか“賃金を上げる”を強く訴えると思いきや、 
 公約の柱には給付や減税が並んでいる。   
  そもそも“物価高にしても値上がりが急すぎる”という私たち 
 の感覚は正しいのだろうか。 
  国内では消費者物価指数の分析に生鮮食品を除く指数(コアと 
 呼ばれる)が用いられるが、国際的にはすべてを含めた総合指数 
 で比較できる。生鮮食品も含めた総合指数の方が日々の生活に 
 近いものだろう。   
  その中で日本のエンゲル係数が高くなっていることが注目されている。 
 2024年は28.3%と1981年以来43年ぶりの高水準になり、年ごとの上昇 
 傾向が続いているからだ。   
  エンゲル係数は家計の消費支出(生活費)に占める食費の割合のことだ。 
 食費には日常の買い物の食品だけでなく、酒類や外食なども含まれる。 
 この係数によるエンゲルの法則は19世紀に提唱されたもので、世帯の収入 
 が増えるにつれて食費の割合が下がっていくことが分かっている。 
  リッチな家庭では高級食材を買ってもなお負担の割合が小さく、 
 カツカツな家庭では特売品でもさらに切り詰める方向へ。肌感覚でわかりやすい。   
  日本は元々エンゲル係数が高め、つまりカツカツだったのに、さらに 
 上がってきて主要先進国でトップになった。さらに順位よりも大切なの 
 は近年の上昇の傾向だ。日本は「貧しさ」で急速に先進国トップクラス 
 の地位を固めつつある。 
  よく見ると、新型コロナの影響があった2020年からの1〜2年を除くと、 
 高齢化や世界的な食料品価格の上昇で各国とも右肩上がり気味だが、 
 日本は2014年ごろから先行して一段高になっている。    
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tvasahinews/business/t... 
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