[YouTubeで再生] 米司法省は20日、ドナルド・トランプ米大統領の戦略官だったスティーヴ・バノン被告(66)を、メキシコ国境の壁建設費用をめぐる詐欺罪で逮捕・起訴した。司法省によると、バノン被告と他に3人は、アメリカとメキシコとの国境に壁を建設しようという募金活動で、数千人から資金を詐取したとされる。バノン被告たちの「We Build the Wall(自分たちが壁を造る)」募金活動は、2500万ドル(約26億4000万円)を集めた。米メディアによると、バノン被告は郵便監察局の捜査員によって、コネチカット州に停泊中の全長45メートルのヨット「レイディ・メイ」の上で逮捕された。報道によると、ヨットの所有者は中国人の大富豪、郭文貴氏だという。
投資銀行から右翼メディアの編集長になったバノン被告は、2016年の米大統領選で、トランプ氏の選挙戦のテーマ構築に大きく貢献した。同被告の右翼的な一極主義や反移民思想が、トランプ氏の「アメリカ第一」スローガンの推進力となった。トランプ政権が2017年に、気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」から脱退したのも、バノン戦略官の影響によるものと言われる。バノン被告の逮捕について聞かれたトランプ氏は、「とても残念だ」と答えた。自分は「We Build the Wall」事業に何も関係していないと述べた。
「We Build the Wall」事業は、メキシコとの国境の壁の一部を私有地に建てようと、出資を募った。賛同者は、自分の名前が刻まれたれんがを購入しようという呼びかけだった。メキシコとの国境に壁を建設するという案は、2016年大統領選でトランプ氏が繰り返した目玉公約だった。トランプ氏は当時、建設費はメキシコ政府に払わせると力説していた。 https://www.bbc.com/japanese/5385812...