11日の『報道ステーション』(テレビ朝日)の放送中、MCの富川悠太アナウンサーが自民党の世耕弘成・前経産相に対して、こんな
「お詫び」をする場面があった。
「ここでお詫びがございます。昨日、桜を見る会のニュースのなかで、VTRの最後に、自民党の世耕参議院幹事長が『良いお年を』などと
発言した様子をお伝えしました。これは定例記者会見が終わった後の世耕氏の発言で、今後の会見予定について述べたものでした。
桜を見る会とは直接関係のない発言で、放送ではその説明が丁寧ではありませんでした。誤解を招く表現につきまして、世耕氏ならびに
視聴者の皆様にお詫びいたします」
だがこれ、本当に『報ステ』が番組内で謝罪するような内容だったのか。あらためて検証してみると、『報ステ』の報道は極めて穏当な
ものであり、低頭平身に詫びる要素など何一つないのだ。
そもそも、問題視されたのは「桜を見る会」問題を取り上げた10日放送のVTR。詳細は後述するが、その10日夜の放送後、世耕議員が
自身のTwitterで「印象操作とはこのことだ」などと連投。猛烈な批判を展開した。
〈今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。私は定例記者会見が終わった後、今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で
「良いお年を」と言っただけなのに、それを桜を見る会をと絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。
印象操作とはこのことだ。〉
〈今日の世耕の会見の「総理は十分説明した」というコメントと、会見終了後に今年最後の会見の可能性があるので「良いお年を」と
言ったことは時間的にも、文脈的にも繋がっていない。なのに#報道ステーションは「総理が説明したから、良いお年を」という風に繋げて
編集している。印象操作。〉
さらに世耕議員は〈あまりに酷いし、正確な理解を国民から頂くという公益性があるので、自宅のテレビから撮った当該シーンをアップ
します〉として『報ステ』の動画をアップするなど、投稿を続けた。これにネ卜ウヨたちが〈悪意を以って編集していますね〉〈これは
酷すぎ全力拡散〉〈こら停波命令出したほうがいいわ〉などと反応、炎上させたというわけだ。
しかし、「桜を見る会をと絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集」「印象操作」などというのは、まったく見当はずれの
クレーム、いや、権力を笠に着た“恫喝”としか言いようがないのだ。
実際、問題視されたVTRをあらためて確認してみよう。
(続く)
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